えーっと……本当何から申し上げたらよろしいやら分かりませんが。
ここ最近続いていたIb関連(つーかパロ)に関しまして。先日もうアレで終わるよとか抜かしましたが、ちょっとまぁ、色々スイッチ入りまして。
まぁ、単に開き直りとこの際だっていう勢いに乗った形なのですが。
……全エンディング+αウサビでパロってしまおうとか、考えております。
いや、申し訳ありません。
興味のない方はまるで意味分からない話になってしまうでしょうし、原作のIbが好きな方からは「やめろハゲ」なクレームもつきましょう。石飛ばされても仕方ありません。
まぁこそこそ出しては「またやっちゃったよゴメンゴ☆」とかとぼけるのも自分の通常ではありますが、結構名の知れている&純粋に原作好きな方が多い話をパロるのでやっぱり先に一言お詫びしておこうかなぁと。ええ。大変すみません。
ついでにその間本家の物も手付かずなので、本当すみません&すみません。
最もやるといっても、あと3種類くらいなのですが…あと、普通の話や小話以上に(自分にしては)急ごしらえでやるので、いつもに増して文章の体裁とってません。良い所一つもないですね。
色々問題多いですが、ご寛容いただければ何よりです…
というわけで、続きからパロです。
今回キャスト入れ替えてます。
※注意※
拙宅ウサビキャラでフリーホラーゲームIbパロ。
ウサビは勿論Ibが正しく好きな方は回避されて下さい。
キャスト
・赤薔薇→狙(9歳)
・青薔薇→運(成人)
・黄薔薇→?
・Ibのエンディング(微妙に)ネタバレ。
・相変わらず出オチ。
・コプさんBADEND且つほぼ出てきません。
・今日も長いorz
・黄薔薇の人は適当に補完してください。(ぉぃ)
おKな方のみどうぞ。
―――ねぇ、ボリス。マカロンって知ってる?
―――そう、お菓子。甘くて、色んな色があってー……ハンバーガーに似てるかも。
―――えっ、不味そう!?いやいや美味しいんだって!本当!!
―――そんな、疑いの目で見ないでよ~っ!アレは絶対に美味しい!保証するよ!
―――……だから、さ。
「一緒にここを出て、食べに行こうよ」
なんて、言ったくせに。
「コプチェフ……」
段差もあやふやな階段を駆ける。星明り程度の小さな光だけが照らす通路は暗く、ともすれば躓きそうだ。それでも構わず、ボリスは足を動かす。
『先に、行ってて』
足を止めたボリスに対し、コプチェフは笑って言った。胸を押さえ、苦しげに息を詰めながらも、迷うボリスを諭すように。
ウソなんかつきたくない。でも、本当のことも言いたくない。言いよどんだ末、告げられた答えが何を意味していたのか。
何を言えばウソで、本当のことなのか―――ボリスは薄々気づいていたが、聞き返さなかった。
ただ、後で追うと言うコプチェフに頷き、走った。振り返りはしなかった。後ろに何か崩れるような気配を感じながらも、振り返らずに走った。
―――見ればきっと、引き返してしまう。
戻って、片膝ついて倒れているだろう彼の元へ駆け寄って、なんとかして運ぼうと奮闘するだろう。
けれど、そんなのは所詮意味のないことだと分かっている。年端もいかない自分の体ではコプチェフを支えられないし、仮に引きずることが出来ても数歩もしないうちに力尽きるに決まっている。
二人揃って共倒れになるのでは、何の為にここまで来たのか―――コプチェフの
だから、ボリスは走る。両手足が千切れそうなほど振って、心臓が異常なまでの音を立てながらも、夢中で走る。
まだ望みはある。奪われた彼の薔薇を取り戻せば、まだ間に合うかもしれない。まだ―――諦めちゃいけない!
「……コプチェフッ!」
汗なのか涙なのか、良く分からないものが眼に入って染みる。酸素不足で頭がクラクラした。吐き戻しそうだ。
体だけ前へと進む朦朧とした意識の中、声が届く。
「スキ……キライ……」と一定のリズムで聞こえる楽しげなそれに鳥肌が立った。ここに来るまでも点々と床へ落ちていた、青い花弁。極力見ないようにしていたが、まさか―――
砕けそうになる足を叱咤し、思いっきり床を踏む。
まだだ―――まだ、まだ。まだ、間に合うんだ。
絶対間に合わせるから、諦めては、
諦めたりしては―――
「―――スキ」
登りきった階段の最上段。開けたそこで勢いついた足を止め、ボリスは立ちすくんだ。
すっかり上がった息が苦しい。膝はガクガクするし、口の中に溜まった唾液は喉が張り付いてうまく飲み込めない。全身水を浴びたような汗だくで湿ったカッターからズボンから全部重く、叶うなら座り込んでしまいたかった。
そう思う反面、体は全く動かないでいた。腿も、指先一つも。足の裏が床に張り付いてしまったかの如く、ただ目の前の状景を見るしか出来ない。
殺風景な部屋の中心部―――床に撒き散らされた、青を。
「……ぁ、」
ひしゃげた喉がヒュッと音を鳴らした。掠れた呼気はしかし、ここではなんの抑制力も持たない。
整わない動悸の中、見慣れた背中が―――この世界で友だと思った相手の背が震えた。
「……ハハッ!やった、やったぁ!これで、俺……!」
自ら散らした花びらに囲まれ、彼は笑っていた。その目は陶然と、待ち望んでいた幸福を得たように輝く。ボリスが今まで見た中でも一番だと思うほどだ。
暫く歓喜を噛み締めていた彼だったが、不意にボリスの存在へ気づき振り返った。
「なんだ、ボリス来てたんだ。
ねぇ、見てよコレ!これで俺も、やっと外に出られるんだ……!」
心底嬉しそうに彼は言う。
呆然と目を見張るボリスへ良く見えるよう、腕を突き出し―――一枚の花びらも残ってない茎を差し出して。
『心配しなくても、大丈夫だよ』
『俺に任せときなって』
『ホラ―――大事にしなよ』
「―――ッァァアアア!!!」
気がついた時にはボリスは飛び出していた。さっきまでの体の重さも忘れ、ダッと床を蹴る。
獣のような咆哮と共に目の前笑みを浮かべる少年へ掴みかかる。最早躊躇はなかった。あちらに怪我を負わせてしまおうと、ほんの一片でもコプチェフの痛みを感じさせられるなら構わないとさえ思った。
が、哀しいかな長さの足りないボリスの手が届くより早く、彼はヒラリ身を翻す。
「アハハハッ!ボリス、君も早くおいでよ!」
ポイと茎を放り捨て、一目散に出口へ向かう。その目にはもう外の世界しか見えていないのだろう。
木霊だけ残して消える背を、しかしボリスは追いかけないでいた。
激昂で焼き切れそうだった頭を瞬時に冷却し、床に落ちた茎を拾う。
同じように部屋に散らばった花弁も集める。震える指先で何度も何度も零れ落としながらも、必死に青をかき集める。
そして両手に納まるだけ薔薇の残骸を掴むと出口とは反対になる来た道を駆けた。
もつれる足で転げ落ちそうになりながら、来た時同様全速力で下っていく。
「ハッ、ハァッ―――!」
踏み外して、倒れて、距離感も狂うほどに只管走って。ようやく覚えのある廊下まで出た。
ぼんやりと光が浮かぶ壁際、そこにコプチェフは寄りかかるようにして座り込んでいた。
「ッコプ、……コプチェフ……!」
足を引きずりながら近寄る。
ボリスがすぐ脇に立っても、コプチェフは顔を上げなかった。藍色の瞳は伏せられ、おちゃらけた言葉一つ発さない。見下ろす横顔は光彩の具合を抜きにしても、青白い。
ダラリ下がった手の中には銀色のライターが握られていた。ということは、それを取り出すまでの間意識はあったわけだ。
まだ、起きる可能性だって―――ある。
「コプ、ほら薔薇だ……お前の薔薇、ちゃんと取り戻したんだ……」
閉じた目へ掲げ、ライターを取る代わり萎れた茎を握らせた。
集めた青い花びらを、薄紫の頭の上へ全部振りかけた。
それでも動く気配がないから、思いっきり頬を張ってやった。
一発、二発。パシンと乾いた音が鳴る度、指が熱くなる。
―――けれども、コプチェフはピクリとも動かない。頬も冷たいまま。
前ウサギの部屋で叩いた時と同じ力で打っても、赤み一つ差さない。
「なんで……なんで、起きねぇんだよ、コプチェフ……!」
もう一発。もう一回。もう一度だけ。もう―――
手のひらが痺れるほど、叩いて。
掴んでいた胸倉を揺すり、ボリスは呻いた。
諦めるな―――諦めるな。
約束した。一緒に出ると。一緒に出て、マカロンを食べると。
美味いのか不味いのか知らない、もし不味ければその時は散々責めてやろうと思ってたんだ。
まだ、間に合う―――まだ、まだ絶対に間に合うから、
「……っぅ、ぁ……う、っあああーーーっ!」
諦めたりなんて、したくないのに。
【―――本日は『華麗なる美の世界・ゲルテナ展』へお越し下さり、真にありがとうございました。間もなく閉館の時間となりますので、皆様お忘れ物などございませんよう―――本日は……】
「…………」
ザワザワと音が波の引くように響き、遠ざかる。
合わせて徐々に人の気配も減っていく中、ボリスは一人佇んでいた。子供にとっては高い位置にある絵画を首を上げて、じっと見上げている。
閉館案内にも気づかない様子の彼は放っておけば一晩中でもそのままで居そうだったが「ボリス」と呼ぶ声に黒い瞳を動かした。
「随分熱心に見てるのね。気に入ったの?」
探しに来た母親の問いに、彼は「……別に、」と答えた。
別に、気に入ったとか入らないとかそういう理由で見ていたわけではない。
では、どういう理由なのかと訊かれると、よく分からないが。
青と紫の入り混じった、グラデーションの美しい肖像画を眺めていたのは―――
「でも、今日はもうおしまい。帰るわよ」
「ん……」
差し出された手を素直に取る。
「……あら?ボリス、そのライターどうしたの?」
「……?」
「落し物かしら?」
繋いだ手と反対、ボリスの空いた手に握られた、凡そ子供に縁のない代物に母親は首を傾げた。
ボリス自身、まるで覚えのないものだ。冷たい、銀色のライター。どこかで拾った記憶もない。
誰かから貰った記憶も、約束も、
「さぁ…………忘れたよ」
何もかも、あの絵のように。
ED:忘れられた肖像
+ + +
今回は運狙でした。しかしパロというと元祖ともいえる某お方のイメージが強いので、こんな書きなぐり出しても良いものか悩む…
メアリーに置き換えるキャラが運狙だと見当たらないのが難点なので、今回は一応名無しに…
一番考えやすいなら小キルかなぁと思うのですが、実は小コプどうかなとか思っています。我が家のコプは幼少期から色々ひねくれていたので(ある意味キルにそっくり。大人になって処世術で人当たり良くしているだけ)本気になると割と残酷。
ちなみに月子さんのnoiseを偶然流しながら書いていたら、ちょこっと歌詞と被っていてビックリでした。
暫くずっとBADENDです。(ぇ)