一体どこまでがセーフでどこからを自重すれば良いのか、自分でも把握しかねていますどうも破璃です。毎度同じ事の繰り返しですみません。
が、気がついたらやってしまっていた…orz 自分の十八番ですね。
最早パロとしては捏造多すぎですしn番煎じだしあえてウサビでやるなよと一人ツッコミ入れてみますが、まぁ、折角だったので…(何が)
双子ってこういう時特にやりやすい。
とりあえず、これ以上はやらない
一応人としてどこからがマナー違反になるのかと思うと、ちょっとおっかなびっくりなのです…
※注意※
以前ちょろっと出したIbパロを懲りずに再来。
が、今回は最早パロというには原型混ぜ崩しすぎてます。
ウサビは勿論Ibが正しく好きな方は回避されて下さい。
キャスト
・赤薔薇→緑
・青薔薇→赤
・黄薔薇→弟
以下の点特にご注意を。
・キレさん出てきません。(BADEND)
・IbのEDが二つ混ざってます。
・混ぜた上でウサビだとキレさんとキルさんの容姿クリソツだからってことで、分かりやすく曲解させてます。
・こんなに長くするつもりじゃなかったorz
おKな方のみどうぞ。
―――忘れている。
何を?
―――思い出せない。
何で?
覚えているはずなのに忘れていて、知っているはずなのに思い出せなくて。
何故そう思うのかさえ、分からなくて―――それでも。
胸を締め付けるような、この感覚は、
それは、とても綺麗な絵だった。
真四角の額縁の中、一人の人物と花とだけが描かれた絵。
肖像画、なのだろうか。構図か技法か、それとも伏せた瞳のせいか、どこか静謐なイメージを受ける。
「…………」
今回美術館に展示されているそこそこ有名だという芸術家の作品は、正直プーチンには理解できないものが多かった。
牙の生えた魚の絵や、有刺鉄線の張られたソファや。それが芸術だと言ってしまえばそうなのかもしれないが、独創的過ぎて解釈が追いつかない。首の無いマネキンに至っては薄ら寒いものさえ感じる。
だから余計にかもしれない。この絵は一際、目を奪う。
特に、色が―――幾重にも折り重なることで生み出された紅は、もう一度この世に再現するのが不可能でないかと思うほどに鮮やかで。
胸に抱く、その人と同じ色した一輪の花もそう。瑞々しい花弁を広げた真紅の薔薇。
手を伸ばせば摘めそうなほど、
綺麗で、
「お客様、作品へお手を触れませんように」
静かな館内へ鋭い声が響く。反射的に腕を引っ込め―――その動作で自分がいつの間にか絵画を触ろうとしていたのを知って、―――プーチンは振り返る。
見れば制服姿の警備員が厳しい視線をこちらに向けている。一枚数百万の価格がつく展示品だ、万が一傷にでもされたら主催側も警備側もたまらない。
が、プーチンの顔を見た途端、彼はぎょっと目を見開いた。
どうしたのだろう?
不思議に思い首を傾げる。すると、その動作に合わせるようパタパタと音が鳴った。
「……?」
目線を下げると足元にシミが浮いている。雨粒のような。しかし、ここは屋内。雨は降りはしないだろう。
さらに一滴二滴と増えるものを追うようプーチンは手を上げ―――驚いた。
顔の両側を濡らす、冷たい感触。泣いている。先ほど無意識に手を伸ばしていたのと同様、自分でも知らないうちに涙を零していた。吃驚してパチンと瞬いた拍子にまた雫が落ちる。
泣く理由が分からず慌てるプーチンにやはり慌てる警備員。二人揃ってオロオロするという実に珍妙な状況に周囲の目が集まる。
その一角から、声が上がった。
「―――オイ」
先刻の警備員よりもよほど鋭く、威圧に満ちた低音。
一瞬にして館内の空気が凍った。辺り一帯それこそモニュメントと化した中、長身の影が前に出る。
「コイツに何をしてる」
「……キルネンコ、さん」
燃えるような赤髪に、秀麗な面立ち。パッと見ただけでは別次元に住んでそうな相手の名をプーチンは呼ぶ。
剣呑さを上乗せした切れ長の赤い瞳に警備員の顔が面白いくらい青くなる。放っておけばそのまま心停止させてしまいそうな連れにプーチンが急いで袖を引いた。
「な、何でもないんです。その……作品に、感動しちゃったっていうか……」
しどろもどろの口調は明らかに失敗である。とはいえ自身原因不明なのだから、説明のしようがない。
視線を泳がせるプーチンをキルネンコも胡散臭そうに見下ろしたが、それ以上の追及はしなかった。
憤然の矛先収め、プーチンへ向き合うと袖でゴシゴシ顔を擦る。
「わぷ、ぷっ!拭かなくて良いですよぉー、僕ハンカチ持ってますし!」
「フン。だったら最初から自分でどうにかしろ」
些か乱暴に涙の痕を消してから、キルネンコは仕上げにポンと頭へ手を置いた。
撫でるというには愛想に欠ける手つき。けれどプーチンはこの触れ方が好きだった。大きな掌から伝わる体温がとても安心出来る。
まるでいつも傍にいると言ってくれてるようで、何故か―――再び涙が滲みそうになる。
「―――で、お前が泣くほど感動したとかいうのはコレか?」
ハッとして目元を擦り、顔を上げる。
何事もなかった素振りで指差すキルネンコの先には例の絵があった。
「う、うん……」
「どこが気に入ったんだ?」
「えっ!?えーっと……なんか、綺麗だし、色とかすごいし……うんと、」
必死で頭を回転させるが、良い言葉が浮かばない。
勿論、綺麗なのには間違いない。間違いないのだが、それだけで泣けたのかというと違う気がする。
回廊を巡って、気がついたら、既にこの絵の前に立ってていた。
題名を確かめもせず、食い入るように見つめていた。
とても綺麗で、鮮やかで、胸が苦しくなる感覚で一杯になって、
その理由、は―――
「……この絵、キルネンコさんに似てますね」
「は?」
脈絡のない感想にキルネンコが怪訝そうな顔を浮かべる。確かに話の流れからすれば支離滅裂だし、ついさっき思いついたことだ。
プーチン自身それが涙を零した理由でないのは分かっている。ただ、勝手に口がそう言っていた。
「そうか?……まぁ、色合いはそうかもな」
摘んだ赤髪は絵に負けず劣らず色濃い。だが彼にはそれ以上の興味は湧かなかったらしい。
さっさと指を離すとポケットを探り、いつもの煙草を引き抜こうとする。
「お客様、当館は禁煙でございますので……」
小さな声ながら注意した警備員の職務意識の高さは天晴れと言えよう。射殺しそうな目で睨まれても美術館は絶対に火気厳禁である。
チッと舌打ちして一旦煙草を下げたキルネンコは面倒臭そうに首を鳴らした。
「もう十分観ただろう。出るぞ」
一刻も早くニコチンを摂取したい。顔にはっきり書いての催促に特に否の返事は無い。間継ぎのキャンディーも結局、プーチンが食べてしまったのだし。
さっさと背を向けた相手を追いかけ、―――一度だけ、額縁の方を振り返って―――出口へ向かう。
受付の挨拶を背に踏み出した外は、快晴だった。
降り注ぐ陽光が眩しく、温かい。何だか久しぶりに太陽を見た気がする。美術館内は展示品の状態を保つため光も温度も控えめに調整されていたからだろうか。
知らず張っていた力を抜いたプーチンは、ふと傍らの口元が上がっていることに気づいた。
「?キルネンコさん、なんだか嬉しそうですね」
「そうだな、気分は悪くない」
悪くない、というよりはとても良い、といった感じがするが。
細められた赤い瞳は鑑賞をしていた時よりもむしろ生き生きしている。早速煙草を咥えている所を見れば当然なのかもしれない。
流れる煙を見上げ、後に続く。
時折何か頭の隅に引っかかるようで足を止めかけるが、それが何なのかは分からず、開く距離を慌てて詰めるを繰り返す内次第違和感としても薄れていった。
「何か食べて帰るか―――マカロンとか、お前知らないだろ」
キルネンコの提案に頷く。
「それって美味しいもの?」
「そこそこな。甘いし、多分お前が好きそうなヤツだ」
「食べます食べます!ジュースも一緒に頼んで良いです?」
勢い込んで尋ねると「好きにしろ」とキルネンコは笑った。普段の人を食ったような冷笑ではなく楽しげな微笑にプーチンも何となく嬉しくなる。
色んな色があるというマカロンのどれを食べるか話しながら歩く。
もう歩みはつっかえることなく、二人隣り合って店を目指した。
―――忘れている。
何を?
―――思い出せない。
何で?
覚えているはずなのに忘れていて、知っているはずなのに思い出せなくて。
何故そう思うのかさえ―――もう、分からなくなる。
+ + +
なぁ―――
信じないかもしれないけど、お前には感謝しているんだ。
ずっと外に出たかった。
額縁の中の退屈すぎる世界も、長すぎる時間も、うんざりする。気が狂いそうなほど。
向こうへ出たくて、誰かと居たくて、しょうがなくて。
だからお前には本当―――感謝している。
「ありがとう、キレ」
俺の代わりにそっちへ居てくれて。
あとはあの目から、頭から心から。
すっかりお前を色褪せ消してしまうだけ。
ED:忘れられた肖像 …?
+ + +
ゲーム内では『忘れられた肖像』と『いつまでも一緒』は独立したエンディングになっていますが、両立させようと思えばならなくもない話だなー、と思いまして。(というか『いつまでも一緒』の時に肖像画がかかっている場所の絵はどうなっているんでしたけ…?)←自分で調べろよ
で、パロにキレとキルを使うなら見た目そっくりだし、現実と絵画の世界の入れ替わりと合わせて存在自体変わっても違和感ないなぁと思った次第です。(撫で方が前のとリンクしてたり、キャンディー渡したのがキルだと思っていたりとね)
毎回すみません。
あとタイトルはローリ●ガールですが話自体は銀/猫聞いてるときに思いつきました。Ib→零→つっこさんと動画を流れた結果です…