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監獄兎中心期間限定サイトの日記という名の掃溜
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 タイトルとは全く関係ありませんがコプチェフ比率が高いので(出てるのはある意味一人もいないけど…)ついそんな事を書いてしまいます。


 というわけで、またIbパロです。
 もう謝ってもダメだと悟りました…orz





 









 

※注意※

拙宅ウサビキャラでフリーホラーゲームIbパロ。
ウサビは勿論Ibが正しく好きな方は回避されて下さい。


キャスト
・赤薔薇→狙(9歳)
・青薔薇→運(成人)
・黄薔薇→?

 

・Ibのエンディング(微妙に)ネタバレ。
本物のコプさん出てきません。
・長いorz
・偽者います。

 

 

おKな方のみどうぞ。



















 

 

 

 


 

 本当は、知ってたんだ。

 

 

 

 


 「ボリス、足元平気?」

 肩越しに呼びかけるコプチェフへ、ボリスは頷く。周囲はつま先すら見えない真っ暗闇だったが、先導に立つコプチェフだけはかろうじて確認できるので大丈夫だった。

 美術館で再会してから、二人はずっと歩いていた。

 最初はボリスだけが、スケッチブックとかいう場所を出た。コプチェフも一緒に連れて行きたかったが、その時の彼はぐったりと力なく、まるで死んだように重かったのである。子供のボリスに持ち上げられる術などありもせず、ただ悔しさに涙を飲みながら彼を置いて歩いた。
 そうして降りていった長い長い階段。地の底まで続いているんじゃないかと思ったその先は、驚いたことにあの美術館へ繋がっていたのだ。
 見覚えのある館内。両親と共に記帳した受付も、もらったパンフレットもそのままだった。違うのは人の気配がまるでない点だけ。
 戸惑いつつ、とりあえず回廊を覗いてみた。最初来た時に見た絵画、相変わらず表題が読めない彫刻。中には額縁から抜け出して襲ってきたあの絵もあり一瞬身構えたが、近づいても何も起きなかった。紙に描かれただけの至って普通の絵だった。
 一人分の足音を響かせ巡った末、ボリスは一枚の絵画の前に辿りついた。
 壁一面に飾られたその巨大な作品を見上げていると、何やら絵の雰囲気が変わった。ここまでに蓄積された予感が運命の分かれ道だと訴える。
 途端、ゾクリと背筋が震えた―――本能が飛び込むか、逃げるかの二択で激しく葛藤していた。

 飛び込めば、何か変化が起きるかもしれない。しかしそれが吉と出るとは限らない。
 体は正直に後ずさりした。少なからずの恐怖で膝が笑う。留まるべきか、踏み出すべきか。そんなに長い逡巡の時間はないというのは分かっていた。


 もし―――コプチェフがいたらこんな時どうしただろう。頼りないけど、時としてボリスを庇い支えてくれた彼なら、この迷いをどう打ち破ってくれたか。


 (どうする―――どうすればいいんだよ、コプチェフ……!)


 迫られる決断にボリスは呻いた。

 すると。

 彼は、現れたたのだ。

 

 「疲れてはない?歩くの辛かったら、おんぶしてあげるよ」

 出口らしいところを見つけた、というコプチェフは自信に満ちていた。足取りもしっかりとし、明かり一つ持たずにずんずん奥へと奥へと進んでいく。
 手を引きながら時折ボリスを気遣う。ボリスがどんなに元気な子供でも、やはり大人と比べれば体力が劣る。以前一度倒れたこともあって、心配してくれてるのだろう。今までも良くあった話で、その都度「子ども扱いするんじゃねぇ」とボリスは逆に怒鳴るのだが、藍色の瞳は変わらずボリスの事をしっかり見守ってくれていた。
 今は前を向いていて見えない彼の目を思い浮かべ、ボリスは平気と答える。

 「……コプチェフこそ、具合良いのか?」
 「もーバッチリ!死ぬほど痛かったのがウソみたいだよ。
 ボリスが『彼』を燃やしてくれたおかげだね。本当、ありがとう!」

 にこやかに言われる礼に、ちくんと心が痛む。
 あの時、咄嗟とはいえ『彼』に火をつけたことをボリスは未だに是としきれない。自分達を閉じ込めたとはいえ、束の間は友と信じた相手だ。
 部屋に転がっていた画帳には外の世界に対する憧れと切望が切々と書き綴られていた。『彼』はただ、自由になりたかっただけなのだ。その手段が外で生きる人間と入れ替わるという、とても酷な方法しかなかっただけで。
 赤い炎に包まれながら向けられた哀しげな眼差しを思い出すと、どんなに割り切っても後悔が募る。
 だが、それを口にするのは単なる欺瞞だろう。だからボリスはあえて何も感じなかったよう振舞う。

 「……じゃあ借りてたライター、返すよ」
 「ああ、いいよいいよ。そのままボリス持ってて。記念にってヤツ?」
 「…………そっか」
 「俺もいい加減禁煙しなきゃって思ってたんだよー。それあると決心鈍るから」
 「だからキャンディー持ってたのか?」
 「キャンディー?―――ああ、うんそう。口寂しさ紛れるし」
 「俺、ポケットが一杯だったから貰ったの食っちまった」
 「あはは、いいよ~。美味しかったでしょ、イチゴ味」
 「…………、うん」

 声だけが聞こえる闇の中、二人で歩く。
 景色が見えないせいで一体どれだけ歩いたのか、さっぱり分からない。真っ直ぐなのか曲がっているのか、登っているのか下っているのか。上下左右自身の頭がどちらに向いているのかさえ、はっきりしない。同じところを延々周っているような気もするし、けれどコプチェフが平気で進むのだから間違いないのだと思う。

 「それで、ボリスはここから出たら何がしたい?」
 「んー……とりあえず、思いっきり寝る。で、起きたら腹いっぱい美味いもの食う」

 あのおかしな美術館に足を踏み入れてから、ろくに睡眠をとっていないのだ。食事も然り。
 生きるか死ぬかの瀬戸際で三大欲求どころの話でなかった。だからゆっくり落ち着ける場所に出られたならば忘れていた人間らしい感覚を満たしてやりたい。

 「……あと、な」
 「ん?」
 「……喫茶店に、行きたい」
 「喫茶店?良いねー、何食べるの?ケーキ?それともバケツパフェ?」

 ボリスは甘党だから、とコプチェフは笑う―――多分、笑ったのだろう。振り返らない彼の顔はどんな表情を浮かべているか定かではない。ただボリスはコプチェフの背中だけ見て、付いて行く。

 歩いて、歩いて。
 
 足音すらどこかに吸い込まれたように聞こえない、闇ばかりの空間をひたすら歩いて。
 不意に、ボリスは足を止めた。


 「……もう、この辺でいい」


 ポツリ、言うと自分からコプチェフの手を離す。
 突然解けた繋がりにコプチェフが初めて振り返る。が、ボリスからすると随分高い位置になる彼の顔は、やはり暗くて判然としない。

 「ボリス?どうしたの、出口はもっと向こうだよ」

 驚いたようなコプチェフの声。
 今までどんなにきつい道のりであっても、ボリスは自分から根を上げなかった。負けず嫌いなのも起因の一つだろう。そしてそれ以上に、あの世界では諦めが終焉に直結すると無意識に感じ取っていた。だからどれほど恐怖に竦もうとも、前に進まねばならないと自分に言い聞かせたのだ。
 途中コプチェフと出会ってからは一緒に出るという希望も相まって、一層強く邁進してきた。
 そんなボリスが見せる消極的な姿はコプチェフにとっても予想外だったのだろう。

 「ホラ、ボリスはいい子だから頑張れるでしょう?」

 そう、絵画の前から連れ立ってくれた時のように伸ばされた手を、しかしボリスは取らない。
 じっと向けられた手のひらを見て―――静かに、告げる。
 


 「―――俺は、コプチェフの傍にいる」

 

 一瞬―――闇が、ざわついた気がした。それは単にボリスの気のせいだったのかもしれない。神経が麻痺するほどに平坦になった中で感じた錯覚。
 同じように見下ろす藍色の目が鈍く光ったと思うのも。錯覚なのかも、しれない。

 「何言ってるの、ボリス。俺はここに―――」
 「良いんだ」

 怪訝そうなコプチェフが全て言い切るより先にボリスは首を振る。 


 良いんだ、何も言わなくて―――全部を、明かさなくて。


 「お前には感謝してるよ。あそこで声をかけられなかったら、俺は踏みとどまらなかったかもしれない。
 いや、分かってる―――本当は、出て行くべきだったんだよな。アイツが身代わりになってまで助けてくれたんだから、一人でも帰るべきだったんだ。
 けど……出来なかった。迷ってたんだ。俺が生きても良いのか?って。
 コプチェフも『アイツ』も、―――俺が殺したようなもんなのに」


 コプチェフからは、命である薔薇を交換させ死なせてしまった。あの時自力で薔薇を取り戻していれば、かの人の美しい青薔薇は散らずに済んだのに。

 『彼』も、ボリスが身を守るため、生きるため燃やしてしまった。あの時会話なり何なり、別の選択を取っていれば違う未来があったかもしれないのに。


 全て偶然と必要の上に成り立った結果ではある。
 しかし、それを仕方ないで片付け元の世界に戻るのは―――あれほど帰りたいと思った恋しい場所であっても、ボリスは躊躇った。
 帰りたい。戻りたい。でも、戻って幸せになる権利があるのか。置いていったコプチェフはどうなるのか。戻った後自分は彼らを覚えているのか。


 戻りたい。戻りたい―――けど、戻りたくない。


 「…………」
 「だからお前が来て、引き離してくれたおかげで決心できた」

 ありがとな、とボリスは見えないコプチェフの顔に笑いかける。繋いでいた手は本物のコプチェフよりも冷たく硬質だったが、一人歩くよりもよほど心強かった。
 くるり反転して足を踏み出す。感触のない闇を足裏に、ボリスは美術館のさらに向こうにある階段へ戻ろうとした。

 「……無駄だよ」

 後ろから冷ややかな声が投げつけられた。それまで聞いていた声音よりも低い、くぐもった声だった。

 「スケッチブックは既に閉じられた後だ。『あの子』がもういないからね」

 初めて聞く本当の声は淡々と説く。その口調が後半、ほんの僅かに揺れたのを聞いてボリスはそうかと思った。
  作者[ゲルテナ]を父とするなら、『彼』はこの声にとって弟にあたるのかもしれない―――自分の意思で動く美術品だ、家族への情があっても不思議ではない。

 「それに道自体あってないようなもんだよ。自分がどう来たかも分からないだろう?」

 その通りだ。おかしな美術館から出られる確率が1パーセントの望みだったとするなら、恐らくここは0を何個もくっつけた数値が返る。一面に広がる暗闇は深海よりも深く、果てが無い。
 それでも留まろうとしないボリスに哂う気配がした。

 「なんなら俺が代わりになってあげても良いけど?」
 「顔も分からねぇマネキンなんか、まっぴらごめんだな」
 「可愛くねーガキ」

 舌打ちでもしたらしい相手に哂い返す。それをきっかけにボリスは来たであろう方向に進む。間違っていればまた別の方角へ進めば良い。

 そうやって歩き続けるうち、いつかきっと、

 


 「―――好きにすれば良いさ。

 どうせ美術館[ココ]からは出られない。望んでも戻られない。[コイツ]のところにだって行けない。

 可愛そうなボリス。君は永遠に―――」

 

 

 知ってる。分かってる。

 


 どれだけ馬鹿な選択か、子供の自分だって理解している。一度引き返せない場所へ来たなら堕ちるところまで堕ちてしまうほうが楽なのだと、既に知ってしまっている。


 

 それでも―――この身朽ちるまで、一人闇を彷徨って。

 




 

 「ひとりぼっちなんだ」







 

 いつか、会いたい。

 

 

 

 

 

 ED:ひとりぼっちのボリス

 



+ + +

 『ひとりぼっちのイヴ』が出るパターンは色々ありますが、お母さんが連れに来るよりギャリー(青薔薇)が来るやつのが辛いと思います…ていうかあそこでフツーに両親よりギャリーの姿を出すところがカップリングできてますよね本当の9歳があんな状況で選択迫られたら付いて行くしかないと思うのですよ…
 連れて行く相手は勿論偽者なので、今回のコプも偽チェフです。本物のコプよりちょっと口が悪く、オープンに腹黒く、実はボリスを病んだ感じに好き(閉じ込めちゃいたいくらい)なのが特徴です。

 あとメアリー(黄薔薇)は前言っていた子コプで暫定決定してしまってるかもしれません…




 

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