真剣に考えました。本当に、真剣に。
真剣に、どうすればウサビでIbが主要キャスト3人揃って出来るかと…!(どうでも良い)
いやまぁ、ギャリイヴをコプボリに置き換えるのは異論はないのです。むしろビジュアル的にも性格的にもしっくりきますよねコプがオネェ口調だとはいう意味ではなく
しかしそうなるとメアリーをどうするか…そこが問題なのです。
そして真剣に考えて考えて考えた結果、たまたま思いついたのはやっぱりこの面子でした。
ちょっと前に三角関係や全員ハッピーエンドじゃないの嫌だって言ったの誰だ俺ですねすみません。
※注意※
拙宅ウサビキャラでフリーホラーゲームIbパロ。
ウサビは勿論Ibが正しく好きな方は回避されて下さい。
キャスト
・赤薔薇→緑
・青薔薇→赤
・黄薔薇→弟
↑肝心(?)の年齢や口調は通常まま。
・Ibのエンディング(微妙に)ネタバレ。
・いきなり出オチ。
・BADEND。
・キレさんが亡くなるのは仕様です。
・キルさんがヤンデレなのも仕様です。
おKな方のみどうぞ。
「―――じゃあ、キレの薔薇を寄越せよ」
そうしたらこっちのは返してやる。
真紅の薔薇を示しながら、彼は言う。最早浮かべる笑みの偽りを隠そうともしない。自身が持つ薄紅の花が造花だとバレた時点で、取り入るための演技は不要となったのだ。
そして今、彼の手元にある翡翠色の花弁は残り一枚―――気まぐれに振ればそれだけで散ってしまうだろう。激痛、恐怖。喉元締め付けられるような感覚に、指がガタガタ震える。
「…………」
恐々、傍らの長身を見上げる。キレネンコさん。掠れた声で呼びかけ、黙る。
呼んでどうする?交換して、と頼むのか。その命と。
自分が生きたいがために、彼に命を差し出せと?
無口で、無愛想で、少し怖くて―――でも、狂気に歪んだこの世界でずっと自分を護ってくれていた人に、身代わりになってくれと?
それは―――それは、出来ない。絶対にしてはならない。
でも、このままでは……
(死んじゃうかも、しれない……)
死にたくない、生きたい、という一心でここまで来たのに。
どうしたら良いのか。俯いて考えるが、所詮非力な自分に何か出来る状況ではない。ジワリ冷や汗が滲む。震えが、一層大きくなった。
―――と、頭をポン、とたたかれた。弾かれたように上を向くと、手を乗せたキレネンコが高い位置から感情のない顔を向けていた。
心配するな。
紅い目が、そう言っているような気がした。無感動だが頼りになる彼の目に、少しだけホッとする。
けど、どうするの?
血の気の引いた青い唇で尋ねようとして―――凍りつく。
一歩、二歩、と前に歩み出たキレネンコは、あろうことか腕を真っ直ぐ突き出した。
その手の先に、己の命である紅の薔薇を携えて。
「……本気で取り替えるのか。笑えるな」
くっくっ、喉と口元だけでキルネンコが笑ってみせる。反して細められた目の鋭さにプーチンはダメだと叫ぶ―――叫ぼうと、した。
極限の恐怖で竦んだ口から声は出ず、パクパク動くだけ。いつぞや倒れた時と大差ない、状況を見ているだけ。
向けられる二対の目に構うことなく、キルネンコは空いた手を伸ばす。
が、彼の指が届く前にキレネンコは紅薔薇を軽く遠ざけた。
「そっちのを出せ」
「チッ、いちいち面倒なヤツ」
渋々散りかけの薔薇を差し出す。今度こそお互いに手を引かず、それぞれの手へ目的の物が渡る。
キルネンコにはキレネンコの薔薇が、キレネンコにはプーチンの薔薇が。
満開の花びらを興味深そうに引っ張るキルネンコは完全無視し、キレネンコはプーチンの方へ振り返る。
ずい、と無造作に突き返される自分の薔薇を前に、プーチンは蒼白な顔をした。
キレネンコは別段、怒るでもない。悲観するでもない。先ほどと何も変わらない、静かな表情でプーチンを見る。
いつまで経っても受け取ろうとしないプーチンに、キレネンコが手を取る。一瞬、触れた指先の冷たさに飛び上がったが、キレネンコはそれに構わず細い茎を握らせた。
「……ちゃんと、持ってろ」
震える手の上から、ギュッと握り込ませる。そこまでが、限界だった。
堰を切ったようにプーチンの両目から涙が溢れる。瞳と同じ色をした花弁を雫が弾く度小さな痛みが走るが、そんなもの比較にならない程の後悔が押し寄せる。命が散るよりも辛い、後悔。
「ぅっ、あ……ご、ごめん、なさっ……!」
「何で謝る」
「だ、だって、ぼくのせいでっ……キレネンコさんの、薔薇、……ッ」
「……別に、」
お前のせいじゃない、と。普段ほとんど喋らなかったキレネンコが、それだけははっきり告げる。
少し膝を曲げ、プーチンと同じ目線にして深緑の瞳を覗き込む。言葉の通り僅かにも責めようとしない紅の色に、一層苦しくなる。
失くさないよう言われていたのに。他の誰かに渡すなと、自分の命だから絶対に放すんじゃないと、散々注意されていたのに。
自分から手放して、挙句、彼の命と交換させた。
ごめんなさい、ごめんなさい。
泣きながら謝るしか出来ないプーチンの頭を黙ってキレネンコは撫でる。ここに来るまで怖い時、辛い時、慰めてくれたのと同じように。
大切な薔薇が散らぬよう、落ちてくる涙から掌で庇いながら、ただ撫でて。
「虫唾の走るようなマネ、してんじゃねぇよ」
空気を切り裂く冷たさで、声が響く。
直後崩れたキレネンコの体をプーチンは慌てて掴んだ。その様子を蔑みの目で見据えたキルネンコは足を動かす。
投げ捨てた薔薇がスニーカーの踵で無造作に潰れる。ぐしゃり、赤い花弁がまとめて散る瞬間を目の当たりにし、プーチンの喉は悲鳴に震えた。
同時に重くなったキレネンコを支えきれず、床に倒してしまう。
「―――キ、キレネンコさん!」
急いで肩を揺するが、返事はない。頬を叩いても同じ。閉じた瞼はまるで石のように動かない。縫合痕の走る顔は蝋のように白く、冷たい。
その時にはプーチンも気づいていた。触れる手のすぐ近くにある口が、呼吸をしていないことに。気づいていて、尚も諦められず彼を呼ぶ。
「キレネンコさん、しっかりしてキレネンコさんッ!やだ、やだヤダ、こんなのってない……いやだよ……」
すぐ脇を涙が落ちても、彼の手は拭いに上がってくれない。綺麗な紅い瞳を開けて、プーチンを映してくれない。
やだ、と繰り返すプーチンの体が、不意に浮いた。
「そう泣くな。お前はちゃんとここから出られる」
ひょいと軽い仕草でプーチンを抱え、キルネンコは笑う。今しがた人一人分の命を踏み散らした事など関係ない、飄々としたものだった。
離れるキレネンコへ腕を伸ばしていたプーチンは、愕然とする思いでその笑みを見た。
「な、なんで……!?だって、僕たち三人でっ……三人一緒に、ココから出ようって―――!」
「それはないな。コイツは俺の代わりのためココへ来たんだから」
あえて隠しもせず、あっさりキルネンコは告げる。俺が出る代わりにな、と丸く見開く目にも解るよう、簡明に。
それはプーチンが初めて聞く真実だ。だって、三人で出ると約束した。三人で、元の世界に戻ると。
戻って、楽しいこと一杯話して、一杯笑って、本物のお日様の光も沢山沢山浴びて。
それから―――マカロン。丸くて、カラフルで、ハンバーガーみたいな、すっごく美味しいお菓子を食べに行くって。
一緒に、食べに行くって。
約束、したのに。
ボロボロ涙の落ちる頬を、手が包む。確かな人肌の温度。
顔を上げると、今まで見た中で一番優しい目をしたキルネンコが微笑んだ。
「安心しろ―――今度は俺が一緒に居てやる」
ずっと、一緒に。
いつまでも一緒に。
ED:いつまでも一緒
赤「100%ボツだこんなシナリオ」
ですよねー。
でも赤の場合美術品片っ端から薙ぎ倒して勝ち進みそうだし(そのまま絵画突き破って脱出しそうだし)、蔦で分断された後弟なら回りくどいことせず緑持ち逃げしそうだし(そのまま手篭めにしそうだし)やっぱりダメだコレ。
キャンディー入れたかったけど入らなかったキルは絶対噛み砕く最高の笑顔でキレからのキャンディー噛み砕く。