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監獄兎中心期間限定サイトの日記という名の掃溜
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 新しいPCにしてから起動時何か物寂しいと思ったらデスクトップへウサビの壁紙指定するの忘れていましたどうも破璃です。最早アイデンティティの喪失が危ういすみません。


 というか変えて3か月以上経って気づく自分って…orz

 新調した直後ネットの接続とかソフトのインストールとかで後回しにして、そのまま忘れてたんですね。現在青色一色な上にショートカットアイコンもほとんどないので殺風景の極みです。まぁ見慣れたからこのままでいい気もしますが
 職場のPCも面倒なので単色指定だしなぁ。周りはト●ロやらケ●ロやら色々な壁紙指定してるのでウサビもアリだと思うんですけど。一応仕事の道具だし…

 とか思っていたら、兄の職場では一課全員揃って課内の若い男の子の写真をデスクトップ壁紙にしてるとか何だそのホモホモしい仕事場
 しかも日替わりで写真変えてるとか、課員は皆男性だとか、リアルにどういうこと…

 一応立ち位置アイドル(若い男だから)らしいのですが、特別可愛い顔してるわけでもないらしくて。益々不可思議です。
 仕事三昧で疲れたオッサンを癒す、何かがあるんでしょうか…?


 とりあえず、俺も手持ちPCくらいは癒される仕様にしよう…

 


 









 もう夏物セールすら終わってますが、性懲りなく怪談小ネタ。





 + + +

 

 

 「…………、」

 後部座席から笑う気配がする。
 不意の事に反射的にバックミラーを見た。広々とした革張りのシート、そこへ座るたった一人の人物。左右反転した傷跡残る顔の中でその口元は確かに弧を描いている。
 
 「……全く、根性があるというのか見っともないというのか」
 「ボス?」

 エンジン音に消される声量はこちらの視線に気づいたからというわけではないらしい。一度声をかけ、返事がないのを確かめてから視線を前へ戻す。
 聞かせるつもりのない独り言を一々問うてはならない。従卒としてやってならない事の三本の指に当たる。今日の自分は運転手として主人を送る事だけ考えれば良い。
 ギアをローへ入れ、発進する。遠目に燻る煙が一瞬映り、通り過ぎた。消防車のサイレンはまだ聞こえない。人気のない場所に建つが故連絡が遅れているのだろう。消火活動が行われる頃にはきっと全焼している。
 最も、焼ける屋敷の住人は一人としてこの世にいないのだから関係ないかもしれないが。
 主人が車に乗ってきた時点でそれは確定していた。纏った濃い消炎の匂いに、血臭。僅かだが首元の白いファーへ返り血も付いている。当の本人は傷一つなく涼しい顔をしているが、現場は凄惨なものだったに違いない。
 時間にすればたったの十数分。その短時間で何十という人間が死に、劫火の中へ葬り去られた。
 無駄な欲を出すからだ―――彼の人には決して刃向かわないという自分からすれば当たり前の行動をあちらのファミリーは取らなかった。自らの首を率先して絞めたのだ。愚かなものだと思う。それと同時に、少しの同情も。
 本来感じるはずのない憐憫が湧くのは、自分自身その存在に強い畏怖の念を抱いているからかもしれない―――

 そんなことを考えていたため、後ろから突然「オイ」と呼ばれた時は思わずシートから飛び上がった。
 もしや、心でも読まれたか。内心戦々恐々していたのだが、ミラーへ映る顔は機嫌を損ねた風でなく薄く笑っている。だからこそ、続く言葉にギョッとした。

 「戻るまでブレーキを使うな」
 「は、」
 「聞こえなかったのか?一切ブレーキを踏むな、と言ったんだ。ハンドルも必要以上切らなくて良い―――何か飛び出しても気にせず突っ込め」
 「え、いえ、ですが……」

 表情一つ変えず命じられ、思わず戸惑う。
 スピードさえ出し過ぎなければブレーキを踏まずに運転することも不可能ではない。だが、何か飛び出しても止まるなとは。
 それは……犬や猫なら、最悪故意に轢いても仕方ないで割り切れる。僅かばかり罪悪感は残るだろうが真正の動物好きというわけでもないし、優先すべきは主人の命令である。

 ただ、この場合主人の言う『何か』とは小動物よりももっと大きな―――人にまで、適用されるのだろう。

 流石に普通躊躇する。一体何を考えそんな指示を下すのか。反対はしないが、せめて理由だけでも聞きたい。
 するとこちらの心情を汲んでくれたのか、主人はフムと思案気に顎へ手を当てる。


 直後、ヘッドレストを鈍い揺れが打った。


 「ブレーキを踏んだ場合、もれなくお前の頭に穴が開く」


 カチン、と鳴る金属音。視界には一切映らないが先の衝撃と合わせ容易に正体の想像がつく。まさか、と疑うよりも先に一気に血の気が引いた。
 ミラーの中で主人と目が合う。紅い双眸は相変わらず落ち着き払っており、それでいてゾッとするほどに冷たい。突き付ける物が冗談や脅しではないと、その色が裏付けている。

 「…………」
 「死ぬのが嫌なら止まらず運転し続けることだ」

 相変わらず淡々とした調子で告げられる。そこになって漸く、自分の勘違いに気づいた。

 

 これは【命令】だ―――優先するとかしないとかではなく、絶対の意思。

 

 疑念を挟む余地も、異議を唱える必要もない。それ自体、許されていない。

 主人の命に従い、完遂すること。最も重要な事柄を、自分は失念していた。


 滑る手でハンドルを握り直す。
 アクセルを深く踏まないよう意識しながら、となりのペダルを忘れ去る。ハンドルも道の形に沿わせるだけ。
 慎重に運転していると今度は「遅い」とクレームが入る。無茶だ。だが、やらねばならない。
 事故を起こさず、主人が望むまま、他者を跳ね飛ばすことも厭わずに。


 生きるためには、必要なことなのだから。

 

 ***


  

 引き攣った顔を前に向けつつも運転を止めない部下に、キルネンコはひとつ満足して銃を下ろす。

 それで良い―――理解及ばない事柄を考察するだけ無駄だ。

 下手な考え休むに似たり、という。なら、何も考えず、大人しく言う通り動けば良い。それこそ馬鹿のように。使えない馬鹿はどうにもならないが、従順な馬鹿ならそこまで悪くはない。
 役目を終えた得物と交換に煙草を取り出す。抜き取った一本へつい数分前別の用途で使ったライターを翳す、その一瞬、辺りの『気配』がザワリ大きくなったが気にせず火をつけ吸い込む。
 どうせ、運転席の男は気づいていない。

 

 車の窓へ張り付く無数の赤い手の跡も、


 後ろからゾロゾロ追いかけてくる焼け爛れた死霊の群れも、


 内一体が屋根に取り付き、今にもフロントガラスを覗き込もうとしているのも。

 

 キルネンコが知覚している現状は、あくまで余人には分からないこと。紅い目を通して初めて知れる世界だ。
 ただ、上に居るのはそこそこ形が濃いから凡人の運転手でも視えるだろう。驚いた拍子急停止した車に一斉に憑りつくか、或いは避けた先事故死と見せかけて殺すか。
 別段車が潰れたところでキルネンコ自身は何ら問題なく生還できるが、死人ごときにしてやったりな思いをさせるのも癪だ。最後まで屈辱に歯ぎしりさせる。その方が視る側としても面白い。
 頭上で更に膨れ上がる気配に目を細めた。よほど妄執が強いのか。まったく、笑える話だ。


 「死んでなおしがみ付くほど、大した人生でもあるまいに」

 

 

+ + +


 一応これで怪談小ネタやり切りました…満足。夏自体はもうとっくの昔に終わってますがorz
 看は企画の方でたくさん使ったのでもう良いかなーってネタと時間が尽きたので


 お付き合いありがとうございました。

 

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