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監獄兎中心期間限定サイトの日記という名の掃溜
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 書いていて気づきました。これは自分で考えていると言いつつ完璧刷り込み入ってると。

 あと最大の問題は封印している別のパロと表現が随処で被るので、そっちのはもう仕舞っておかねばならないということ…

 発想と表現が貧相だとすぐに手詰まりになりますorz




 Ibパロ、今日は完璧別のパロやっとコプが死なずに済みました。











 

※注意※

拙宅ウサビキャラでフリーホラーゲームIbパロ。
ウサビは勿論Ibが正しく好きな方は回避されて下さい。


キャスト
・赤薔薇→狙(9歳)
・青薔薇→運(成人)
・黄薔薇→子運

 

・Ibのエンディング(微妙に)ネタバレ。
・↑ですが、ほとんど改造してます。
・ながorz
・IbというよりIb/で/描いてみたパロっぽい。
 

 

おKな方のみどうぞ。


















 

 

 

 


 夢を見る。


 繰り返し、繰り返し、同じ夢を。

 恐ろしい夢だった。両親も他人もいない狂った世界に一人取り残される夢。

 魍魎と化した絵画や石像に追われ、出口のない美術館を彷徨った。夢でありながら体に走る痛みや恐怖は本物同様。発狂しそうだった。


 そんな夢の結末は―――いつも少しだけ、違っていた。


 ある時は、明けた現実の世界で一人額縁に収まる【彼】を見ていた。


 (違う……)


 またある時は、偽者である【彼】の手を取り夢から抜けられなくなった。


 (これも、違う……)


 そして最後に見た夢は、新しい『友』を得た代わり、【彼】を失くす夢。


 (違う、違う―――こんな終わり方、望んじゃいない。違うんだ)

 

 クルクルと変動する未来。答えを知っては嘆き、絶望に駆られれ、再び震えるような夢を見た。

 

 今度は―――今度こそは。

 

 夢と現の狭間で差し出された【彼】の手を掴み、強く願って、

 


 目を開ける。

 


 

 

 

 


 「坊や、どうかしたのかい?」

 昼下がりの美術館。教養と感性を兼ね備えた人で埋められた館内は心地良い静寂が漂う。時折聞こえる感嘆の溜息と、賞賛交えたヒソヒソ声が優雅なBGMと相成る。
 コプチェフ自身、今日は久しぶりの美術館ということもあり随分期待していた。開催されていた展覧会の作者はマイナーらしいが、どの作品も一風変わった独創性を持っている。特に得意の抽象的画法においてはを強すぎるほどの印象がジワジワ身の内を侵食するかのよう。

 その内の一つ、大きな薔薇の彫像―――『精神の具現化』と題された作品は、特に気になった。

 目には見えない人間の深層を表現している、と説明にある通り、それは人の心を象っているのだろう。幾重も花びらを広げた赤い薔薇は美しく、気高く、また見方によっては毒々しくも見える。心なんてものが一つの側面だけでは説明の付かないことと受け手の視点で変貌してしまうことが成程、良く分かる。
 だがコプチェフが足を止めたのはそんな小難しい解釈が浮かんだからではない。ただ、何となく。何となく、目を引いて離さなかったのだ。

 まるで遠い記憶を辿っているような、懐かしさというか―――もっと、ぐっと胸の奥深くに差し迫るような。感傷の、ような。

 うまく言葉で言い表せない、疼痛に似たものを感じるコプチェフが少年の視線に気づいたのは、そんな折だった。
 斜め後ろあたりからじぃっと向けられる黒い瞳。最初は自分越しに鑑賞しているのかと思ったが、振り返ったコプチェフと目が合っても彼の視線はずれない。穴が開くほど見つめてくる。
 年は十歳前後だろうか。多分両親と共に美術館を訪れ、別行動を取っているのだろう。困惑する様子が見られないから迷子ではなそうだ。
 推測しながら優しい声音を作って尋ねてみる。見知らぬ男に声をかけられて泣いたりしないだろうか、と一瞬肝を冷やしたが、いかにも気が強そうな少年にそれは杞憂だった。
 キリリとした面立ちの彼は目を逸らさないまま、小さな唇動かす。「……何観てるんだ?」と問う声は高いが、にこりともしないのは少し、子供らしくない気がする。

 「え?あ、ああ……何って、この薔薇の形の像だけど……」

 目の前にはそれしかないから当たり前だが。思うものの、少年の真剣な目に若干気圧されながらコプチェフは説明する。
 コプチェフから像へとスライドした彼の目は、やはり好奇とは違う光を放って見える。幼いながら才能の一端でも開花しているのか。身なりからして良いとこの坊ちゃんのようだし。
 改めて向き直ったコプチェフも薔薇の花を見る。

 「……なんかさ、」

 ポツ、と。思考より浅い、無意識が口をついた。

 「この像見てると、なんていうのかな…………すごく、切ない気分になるっていうか、……」

 切ない。

 胸を締め付けられるようなこの感覚はそう、切ないのだ。朧げに霞みがかった過去が掴んでも掴んでも指をすり抜けていく、もどかしいその痛み。
 頭の隅に辛うじて残っている残滓でイメージしようとするのだけれど、上手くいかない。上手くいかないけれど、この心を表す大きな薔薇に記憶は何かを訴える。


 想い出―――そんな綺麗な名では片付けられない、大切な『何か』があった気がするのだけれど。
 

 「って、急にこんな事言われても困るよね。変な事言ってゴメンね」

 自分が分からないことをまさか初対面の子供が答えられるはずもない。気恥ずかしさを感じてコプチェフは慌てて少年に詫びた。
 強い眼圧放っていた黒い瞳はいつの間にか下を向いていた。流石に変な大人と思われたかもしれない。それは困る。
 何も起きないうちに逃げよう、とそそくさ場を離れようとしたコプチェフの耳へ、不意に微かな声が届いた。

 「うん?」

 ―――今、「……違う」と言った?

 自分の聞き間違えかもしれないけど、俯き加減の少年がそう呟いた気がする。
 一応確認しようか。自分の半分しかない背丈に合わせるようコプチェフは身を屈め、


 ―――ガツンッ!!!


 脳天突き抜けた激痛に、目を剥いた。

 「~~~ッ痛ったぁあーーーーーーっ!!!!!?」

 フロア一帯を震わせる大絶叫。館内では静かに、と書かれてある注意書きも無視に一番痛む片足押さえて蹲る。
 痛い。めちゃくちゃ、痛い。思わず半泣きになるくらい、はっきり痛い。
 のた打ち回る一歩手前なコプチェフを、向こう脛蹴飛ばした少年はキッ!と鋭い目で睨んだ。

 「―――バァーーーカッッッ!!!」
 「ッ、へっ…!?」

 先ほどのコプチェフに負けず劣らずな音量で罵声が響く。
 突然浴びせられた攻撃の数々に藍色の両目が白黒色を変える―――滲んだその視界の端で、少年が駆けていくのが見えたがどうすることも出来ない。

 「、……何だったん、だ……?」

 嵐の如く去っていった知らない彼の背を、コプチェフはただ呆然と見つめた。

 

 

 

 

 


+ + +

 

 

 

 

 (……違う……―――違う、違う、違う!


 また今度も違う!こんなのじゃない!こんなのじゃあっ―――!


 こんな終わり方……ダメだ、こんなの―――違うんだ―――!!!)

 

 

 願わくば、今一度。

 叶うなら、もう一回。

 

 望むのはこんな結末じゃない。こんな答え間違っている。

 


 望むのは、望んだのは、―――

 

 

 


+ + +

 

 

 

 

 目を開けると、足元に海があった。
 ちゃぷんちゃぷんと波打つ、蒼い絵の具。仄暗い深海の底を悠然とたゆたう魚が嗤う。


 『また来たのか』


 語りかけてくるような空虚な眼窩をボリスは見下ろす。
 ひんやりと体を凍らせる温度、鼓膜が痛くなるほどの静寂。何度経験しても沸き起こる身震に、それでも黒い瞳から力は失わない。

 「……ああ」

 懲りないと嘲笑を浴びせられようが、構わない。
 元より呼んだのはそちらだ―――繰り返すのが、ボリスの意思だとしても。その度招き入れるのだから美術館[そちら]としても満更ではないのだろう。
 どうせ数ある結末の中からボリスが望むものは手に入らないと踏んでいるのかもしれない。何度でもボリス達の薔薇を毟ってやろうと、そう思っているのか。
 冷ややかな目の下、魚が嗤った。男とも女とも、若いとも年寄りとも付かない声が、幾つも幾つも壁に床に反響し哄笑した。

 

 ―――おいでよ ボリス


 ―――また一緒に、下で遊ぼうよ

 
 ―――おいでよ おいで


 「黙れよ」

 耳にまとわり付く雑音を鋭く切る。一つ呼吸を吐いて、ボリスは額縁の中へと片足踏み入れた。
 氷海に浸かっていくような冷たさに泡を吐きながらも、深く、深く。沈み込み。

 目を閉じる。

 


 

 

 

 

 夢を見る。

 

 繰り返し、繰り返し。恐ろしい同じ夢を、何度も。


 何度でも。
 

 曖昧に溶け消えるこの記憶が確かなものとなるまで―――【彼】を取り戻す、その時まで。

 



 

 ED:片隅の記憶

 

 



+ + +

 一番最初にプレイして辿りついたのがこのEDで、滅茶苦茶凹みました…だって生きて帰っても結局お互い覚えてないんですよこれじゃあひとりぼっちのイヴ並みに辛いよとのた打ち回りました。
 妥当なパロなら運も狙も記憶がない、で書くべきなんでしょうが話がうかばなかったプレイヤー(イブ)の目線で言えば記憶があるので、狙だけが覚えているっていう…パロにするのが微妙なくらい、捏造入ってます……orz
 というか動画サイトに投稿されている手描きIb詰め込んだ感じ本当すみません。

 

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